「中小企業診断士で難しいのはどの科目?」
「どの科目が高得点を取りやすい?」
本記事では、このような悩みを解決できます。
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- 中小企業診断士1次試験を知識ゼロから一発合格
- 7科目すべて60点以上/総得点500点越え
中小企業診断士の1次試験は7科目もあって、どの科目から勉強を始めるべきか悩みますよね。
そこで今回は、知識ゼロから1次試験に合格した私が実際に感じた「科目別の難易度」についてお話していきます。
この記事を読めば、科目別の難易度はもちろん、おすすめの勉強方法や令和7年度の難易度予想もわかるのでぜひ参考にして下さい!
難しい科目はどの科目?
さっそく科目別の難易度を見ていきたいところですが、その前に1つ知っておいてほしいことがあります。
それは、科目の難易度には2つの難易度があるということです。
科目の難易度には2つの難易度がある
私は中小企業診断士1次試験を受験して、科目の難易度には2つの難易度があることに気付きました。
2つの難易度とは、
・勉強の難易度
・試験の難易度
の2つです。
「勉強の難易度」は、勉強する内容の難しさを意味します。
実際に1次試験の勉強をしていて、「思ったよりも簡単!」「勉強したのにまったく理解できない…」など、科目ごとに難しさが全然違うことを実感しました。
実際に1次試験の勉強をしていて、
「思ったよりも簡単!」
「勉強したのにまったく理解できない…」など、
科目ごとに難しさが全然違うことを実感しました。
「試験の難易度」は、試験自体の難しさです。
7科目の中でも、試験問題が難しい科目とそうでない科目があります。
試験問題が難しい科目では「しっかり勉強して過去問もカンペキに解けるようになったのに、本番の試験では点数が伸びない…」なんて話もよく耳にします。
【一覧】科目の難易度
ここでは、上記2つの難易度をもとに科目ごとの難易度を評価します。
◎:簡単
○:普通
△:難しい
×:激ムズ
というイメージです!
科目名 | 勉強の難易度 | 試験の難易度 | 総合評価 |
---|---|---|---|
経済学・経済政策 | △ | ○ | 普通 |
財務・会計 | × | × | 激ムズ |
企業経営理論 | ○ | ◎ | 簡単 |
運営管理 | ○ | ○ | 簡単 |
経営法務 | △ | △ | 難しい |
経営情報システム | × | × | 激ムズ |
中小企業経営・政策 | ○ | ○ | 簡単 |
科目 | 勉強の 難易度 | 試験の 難易度 | 総合評価 |
---|---|---|---|
経済 | △ | ○ | 普通 |
財務 | × | × | 激ムズ |
企業 | ○ | ◎ | 簡単 |
運営 | ○ | ○ | 簡単 |
法務 | △ | △ | 難しい |
情報 | × | × | 激ムズ |
政策 | ○ | ○ | 簡単 |
科目の正式名称
経済:経済学・経済政策
財務:財務・会計
企業:企業経営理論
運営:運営管理
法務:経営法務
情報:経営情報システム
政策:中小企業経営・政策
正直に言うと、勉強が簡単な科目はありません。
どの科目も範囲が広く、知識ゼロの状態から勉強するのはとても大変です。
ただ企業経営理論をはじめ、いくつかの科目は試験の問題が比較的簡単であるため、難易度に合わせて勉強計画を立てるのがおすすめです。
【科目の難易度】知識ゼロから受験してわかったこと
科目の難易度には「試験の難易度」と「勉強の難易度」の2種類あると解説しました。
ここからは、2つの難易度をもとに以下の順で科目ごとの難易度を評価・解説していきます。
他の受験生の口コミも参考にしながら、科目ごとの難易度をかんたんに解説します!
経済学・経済政策 ★★★ 普通
「経済学・経済政策」には次のような特徴があります。
・暗記よりも理解重視
・理解できるようになるまで時間がかかる
・図表(グラフ)を利用した問題や計算問題が出題される
2次試験との関連度は「小」
問題数:25問
配点:1問につき4点
「経済学・経済政策」は暗記するだけでは合格点を取ることが難しく、合格するには理解が必要となります。
また、多岐にわたる論点を複雑な図表(グラフ)で理解しなければならないため、理解するために多くの勉強時間を必要とします。
そのため、数学が苦手な人にとってはかなり難易度の高い科目でしょう。
しかし、理解できるようになったら簡単に高得点が取れる科目でもあります。
経済学は理解できるまで勉強しました。
その結果、84点という高得点を取ることができました!
「経済学・経済政策」は問題数が少なく1問の配点が高い科目です。
財務・会計 ★★★★★ 激ムズ
「財務・会計」には次のような特徴があります。
・計算問題を中心に出題される
・暗記よりも理解重視
・苦手意識のある人が最も多い
・2次試験の「事例Ⅳ」を勉強すると理解しやすい
2次試験との関連度は「大」
問題数:25問
配点:1問につき4点
「財務・会計」は簿記の知識や経理経験のある人が高得点を狙いやすい科目ですが、知識ゼロから勉強を始める人にはとても難易度の高い科目です。
また、「経済学・経済政策」と同様に理解が求められる科目ですが、理解しているつもりでも少し問題をひねるだけで解けなくなることが多く、試験の難易度も高いと言えます。
どうやって勉強すればいいの?
一般的な勉強方法は「たくさん過去問を解いて計算問題を完璧にすること」といわれることが多いですが、実はそれだけでは足りません。
理解するための勉強のポイントは、2次試験の「事例Ⅳ」を解くことです。
2次試験を受験した人の中には、「1次試験を受験したときは財務・会計が苦手だったけど、事例Ⅳを勉強してから財務・会計が得意になった」という人がたくさんいます。
私もその一人です!
令和4年度は68点でしたが、
2次試験を経験した後に受験した令和6年度は
10時間くらいの勉強しただけで76点で合格できました!
「財務・会計」の応用版である「事例Ⅳ」の計算問題が解けるようになることで、計算を解く基礎となる知識や考え方が頭に入りやすくなります。
勉強を始める前から苦手意識が強く時間がかかりそうな場合は、通信講座を利用して効率よく勉強するのもおすすめです。
2次試験との関連が大きく、中小企業診断士合格を左右する重要な科目であるため、科目の難易度は高いですが必ず合格点を取れるように勉強しましょう。
企業経営理論 ★ 簡単
「企業経営理論」には次のような特徴があります。
・中小企業診断士試験全体で最も重要な科目
・勉強する範囲は広いが、比較的取り組みやすい
2次試験との関連度は「大」
問題数:41問
配点:1問につき2~3点
「企業経営理論」は、2次試験までを含めた試験全体の土台となる科目で、他の科目との関連性が非常に高い科目です。
最低でも70点以上で合格することを目標に勉強しましょう!
私は令和4年も令和6年もどちらも70点以上でした。
勉強する範囲は広いですが、中小企業診断士の取得を目指す受験生にとって興味のある内容が多いため、勉強に取り組みやすく難易度はあまり高くありません。
また、配点が1問2~3点と低いことから、わからない問題がいくつかあってもそれほど影響はなく、試験の難易度もそこまで高くないのが特徴です。
運営管理 ★★ 簡単
「運営管理」には次のような特徴があります。
・1次試験の中で最も問題数が多い科目
・店舗・販売管理は日常生活でイメージしやすい内容が多い
・常識的に判断できる問題も出題される
2次試験との関連度は「大」
問題数:44問
配点:1問につき2~3点
「運営管理」は、2次試験の「事例Ⅱ」と「事例Ⅲ」に関連する重要度の高い科目です。
「企業経営理論」と同様に勉強範囲は広いですが、店舗における効果的な商品配置のようなイメージしやすい内容が多く、覚えるのにあまり時間はかかりません。
そのため、勉強の難易度は低いといえます。
また、「問題数が最も多い=1問2点の配点が低い問題が最も多い」ということであるため、多少わからない問題があっても合否に影響はありません。
そのため、試験の難易度も低いといえます。
実際に受験したとき、いくつかわからない問題はありましたが75点とれました!
近年の傾向から令和7年度は難易度が上がると予想されます。
難しくなっても合格点を取れるようにしっかり勉強しましょう。
ただし、数年に1回とてつもなく試験が難しい年度があるので注意しましょう。
経営法務 ★★★★ 難しい
「経営法務」には次のような特徴があります。
・『会社法』と『知的財産権』が出題全体の大半を占める
・範囲が広く、新しい内容も出題される
・法律の細かい知識を覚えるのが大変
2次試験との関連度は「小」
問題数:25問
配点:1問につき4点
「経営法務」は、出題全体の7割近くを『会社法』と『知的財産権』が占めるため勉強する分野は絞りやすいですが、知識ゼロから法律の細かい知識を暗記するのが大変で、勉強の難易度は高いです。
しかし100%暗記の科目であるため、暗記することができれば試験で高得点を狙えます。
令和4年度は簡単だったので、80点とれました!
最近は、合格率が10%を切るほど難易度が高いという年度はないため、試験の難易度はそこまで高くありません。
覚えるのが大変で途中で挫折してしまう人も多いですが、試験直前に見たところがたまたま出題されることもあるので、最後まで諦めずに勉強しましょう。
経営情報システム ★★★★★ 難ムズ
「経営情報システム」には次のような特徴があります。
・できる人とできない人で差が大きい
・横文字やアルファベットが多く、なかなか暗記できない
・試験では初見の問題が多い
・すべての問題が5択である
2次試験との関連度は「中」
問題数:25問
配点:1問につき4点
「経営情報システム」は、知識ゼロから勉強を始める場合そもそもなにを言っているのか理解できずかなり苦労します。
また、似たような単語があったり3文字のアルファベットが頻出したり暗記すら思うようにできません。
そのため、勉強の難易度は非常に高いです。
ITパスポート等の資格を持っている人やIT企業に勤務経験のある人は勉強に取り組みやすいでしょう!
試験では過去問に出ていないような初見の問題も出題されるため、試験の難易度も高いです。
2次試験との関連度は「中」ですがあまり重要ではないため、40点未満の足切りを回避しつつ「マークシートで運良く60点とれたらいいな…」くらいの気持ちで臨めばよいでしょう。
ITパスポートと試験範囲がほとんど同じであるため、経営情報システムよりも簡単なITパスポートを先に勉強して取得しておくのもおすすめです。
中小企業経営・政策 ★★ 簡単
「中小企業経営・政策」には次のような特徴があります。
・中小企業経営は何をどのように勉強すればよいのかわからない
・勉強範囲は広いが、勉強範囲を絞って効率的に勉強することが可能
2次試験との関連度は「中」
問題数:42問
配点:1問につき2~3点
「中小企業経営・中小企業政策」は、主に『中小企業白書』と『中小企業施策ガイドブック』の合わせて500ページを超える膨大な資料から出題される科目です。
勉強範囲は広いですが、資料から近年の中小企業のトレンドを把握し、国がこれから力を入れていく最新の支援策にポイントを絞って勉強することができます。
自分でポイントを絞るのは難しいので、通信講座を利用して効率的に勉強しましょう。
1つは最新のテキストを使うことです。
『中小企業白書』と『中小企業施策ガイドブック』は毎年提出される報告書で、試験には直近のものから出題されます。
そのため、テキストは中古のものではなく最新のものを揃えるようにしましょう。
もう1つは中小企業政策を重点的に勉強することです。
独学で勉強する場合、中小企業経営をどのように勉強すればよいのかわからず悩む人が多いです。
逆に中小企業政策は勉強範囲が狭く、最新のテキストを暗記するだけで高得点が取れます。
経営と政策で50点ずつ出題されるため、「経営は10点でも政策で50点とればいい!」くらいの気持ちで割り切って勉強するやり方も有効です。
実際に、私は中小企業経営のすべての問題を勘でマークして20点、中小企業政策は重点的に勉強したことで45点、合わせて65点でした。
独学が不安なときは、予備校が実施している1次試験の模試を受けてどのような問題が出題されそうか情報収集しましょう!
他の受験生の口コミ
ここでは他の受験生がどのように感じているのか見てみましょう。
ROI君的な診断士一次試験の科目別難易度(5段階評価)
— ROI君@人事コンサル (@ROI5083) February 7, 2022
経済学 ☆☆
財務 ☆☆☆☆
企業経営理論 ☆☆☆
運営管理 ☆☆
経営法務 ☆☆☆☆☆
経営情報システム ☆☆☆☆
中小企業経営・政策 ☆☆
理由は後日個別で述べてこうかなと。#中小企業診断士試験
中小企業診断士の7(6)科目を一通り回してみて分かった事。
— ねこやなぎ@中小企業診断士勉強中 (@88Nekoyanagi) December 29, 2022
1企業経営理論 →楽しい
2財務会計 →頭痛い
3運営管理 →面白い
4経営情報システム→難しい
5経済学・政策 →興味深い
6経営法務 →理解し易い
7中小企業経営政策→分からない
得意不得意がハッキリした!
各試験の感想
— ana_guma@R6中小企業診断士2次試験、応用情報技術者試験受験 (@ana_guma00) December 23, 2023
経済学:とっつきにくいかと思ったら案外面白い。スピード問題集は簡単に感じる。
財務会計:難しいけど数字は得意なので時間をかければ何とかなりそう。
経営理論:これが嫌いなら中小企業診断士は向いてないでしょ。
運営管理:イメージつき易くて何とかなりそう。
他はこれから。
中小企業診断士勉強
— T (@T2698336955777) September 19, 2023
経済学・経済政策難しいな🤔
高校一年から数学していないので、苦戦する予感。
財務会計はマジで難しい。
— 鋼の天然水@独学 スタディング(studying)で中小企業診断士 (@shindan_hagane) April 2, 2023
勉強し続けないと一瞬で忘れるから二日に一回は触ってた。
というか試験勉強している間は中小企業診断士の勉強が生活の一部になってたね。
中小企業診断士の財務会計勉強し始めて思うのは、自分は簿記とか証券アナリスト資格保有してるので正直まあ簡単という感想なんだけど、しかしこれ前提知識無い本当の初学者にとっては財務会計の科目って結構苦戦しそう、というかかなり難しいのではという印象をもった。というのも診断士の財務会計は
— おるか✏️R6年中小企業診断士受験 (@Study_Orca) December 13, 2023
ケロ太さんも受けてたんですね!私は3月中旬から勉強スタートして平均54点で届きませんでした💦財務と法務は私もダメでした!
— ジョー (@libe_jo_) August 14, 2023
科目合格が2科目(経済の疑義がある一問が正解になったら3科目)あったので、残りを来年受けようと思います😊
中小企業診断士試験の経営法務。弁護士で中小企業診断士の同期に聞いたら、独特で難しいらしいです。私も法学部卒ですがギリギリでした。割り切りつつもしっかりと対策を。
— 横田優斗 | U&3中小企業診断士事務所 (@chushoUand3) August 8, 2021
経営法務、気合いで覚えるしかないんかな。学生時代から漢字や英単語とかの暗記系苦手なんですよね。面白みが感じられないので…経営情報システムも同じくなんですが…#中小企業診断士
— やまちゃん@頑張る人を応援する (@yamachan55green) February 18, 2024
中小企業診断士の経営情報システム、知らん用語ばかりで、逐一ネットで調べている笑
— 大衆くん (@tryudai) December 26, 2023
これまで順調だった診断士の勉強で初めて少しだけ躓きそう。
— おるか✏️R6年中小企業診断士受験 (@Study_Orca) February 17, 2024
経営情報システムどうやって覚えればいいんですか😢#中小企業診断士
情シス、見たことない単語が多すぎてなんじゃこれ状態😂
— ぶるまん(中小企業診断士挑戦中) (@blmt03_2) February 1, 2024
日本語かこれは!?#中小企業診断士
すごくざっくり言うと
— タイニー (@tiny_smec) October 14, 2022
・宅建の暗記量
・中小企業診断士1次試験二日目(暗記三兄弟)の暗記量
この二つは同じぐらい。
まったくの知識ゼロから始めたとすると、だいたい250〜300hぐらいの勉強時間で7割前後取れるイメージ。(だと思います)
他の受験生の口コミをまとめると、
【経済学・経済政策】
・難易度:☆☆
・内容が興味深い
・とっつきにくいかと思ったら案外面白い
・内容が難しくて、高校1年から数学に触れていないから苦戦しそう
【財務・会計】
・難易度:☆☆☆☆
・頭が痛くなるほど難しい
・難しいけど数学が得意だから時間をかければ何とかなりそう
・難しくて勉強し続けないと一瞬で忘れる
・簿記とか証券アナリストの資格を持っているから簡単だが、知識ゼロの初学者にとってはかなり難しいのでは?
・短期間では太刀打ちできなかった
【企業経営理論】
・難易度:☆☆☆
・勉強するのが楽しい
・この科目が嫌いな人は中小企業診断士に向いていない
【運営管理】
・難易度:☆☆
・内容が面白い
・日常生活の中でイメージがつきやすい
【経営法務】
・難易度:☆☆☆☆☆
・理解しやすい内容である
・短期間では太刀打ちできなかった
・弁護士と中小企業診断士の資格をもつ人によると、独特で難しい
・法学部卒だが、点数はギリギリだった
・面白味が感じられない
【経営情報システム】
・難易度:☆☆☆☆
・内容が難しい
・面白味が感じられない
・知らない用語ばかりで逐一ネットで調べないといけない
・見たことない単語ばかりで理解できない
・今まで順調に勉強してきたけど初めてつまづきそう
・どうやって覚えたらいいのかわからない
【中小企業経営・中小企業政策】
・難易度:☆☆
上記の口コミから、中小企業診断士の受験生は「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」の3科目を難しいと感じていることがわかります。
「経済学・経済政策」は、人によって感じ方がいろいろです!
○○しやすい科目!
中小企業診断士の勉強を始める前に、科目の難易度だけでなく特徴を知っておくことも大切です。
ここでいう特徴というのは、「どの科目が高得点を取りやすいのか」「勉強に時間がかかるのはどの科目か」などです。
ここでは以下の4つにわけて解説します。
科目ごとの特徴を把握して効率的に勉強しましょう!
高得点を取りやすい科目
高得点を取りやすい科目は、ズバリ「経済学・経済政策」と「経営法務」です。
両方とも勉強の難易度は高いですが、試験はそこまで難しくないため理解や暗記さえできれば誰でも高得点を狙えます。
実際に私は2科目とも80点以上で、少ない勉強時間で高得点が狙える科目だと感じました。
また、「経済学・経済政策」「経営法務」は初日と2日目でそれぞれ最初に受ける科目です。
この2科目を得意科目にして高得点を取ることができれば、2時間目以降の科目を落ち着いて受験することができます。
点数だけでなく心理的にも大きなアドバンテージを得て、中小企業診断士1次試験を有利に進めましょう。
40点未満の足切りが多い科目
40点未満の足切りが多い科目は、「財務・会計」と「経営情報システム」です。
両方とも勉強の難易度が高く、多くの受験生が理解・暗記するのに苦労しています。
また、試験では過去問対策だけでは解けない初見の問題が出題され、配点が1問4点のためひとつのミスが命取りにもなります。
私も勘でマークした問題が多く、試験当日は足切りの可能性もあると覚悟しました…
マークシート形式であるため勘で解答しても正解できる可能性はありますが、運悪く外してしまった場合は40点未満で足切りとなる可能性が高いです。
勉強に取り組みやすい科目
勉強に取り組みやすい科目は、「企業経営理論」と「運営管理」です。
「企業経営理論」は、中小企業診断士を志す人にとっては興味のある内容ばかりで、意欲的に勉強を進められます。
「運営管理」は、日常生活の中でイメージできるものが多く、内容も面白いためサクサク勉強できます。
2科目とも勉強には取り組みやすいですが、勉強の範囲は広いです。
この2科目は1問の配点が2~3点であるため、高得点を取りにくいものの40点未満の足切りも少ない科目といえます。
2次試験に関連する重要な科目であるため、70点以上を目標にしっかり勉強しましょう!
勉強時間が少なくてもよい科目
勉強時間が少なくてもよい科目は、「中小企業経営・中小企業政策」のうち『中小企業経営』です。
独学で勉強する場合、『中小企業経営』の勉強は過去問対策がほとんど無意味でテキストを読むだけになってしまいます。
テキストを読むだけで6割取ることは難しいため、『中小企業経営』は捨てて『中小企業政策』をしっかり勉強して合計60点を目指しましょう!
『中小企業経営』を捨てることが不安な人は、予備校の模試や通信講座を利用して直近の中小企業動向の情報収集をしましょう!
令和7年度1次試験の科目難易度を大予想!
ここでは、令和7年度1次試験の難易度を科目ごとに予想します。
以下は、過去10年間の中小企業診断士1次試験の科目合格率の推移をまとめたものです。
科目 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
経済学・経済政策 | 15.5 | 29.6 | 23.4 | 26.4 | 25.8 | 23.5 | 21.1 | 10.5 | 13.1 | 14.3 |
財務・会計 | 36.9 | 21.6 | 25.7 | 7.3 | 16.3 | 10.8 | 22.4 | 13.3 | 14.3 | 15.1 |
企業経営理論 | 16.7 | 29.6 | 9.0 | 7.1 | 10.8 | 19.4 | 34.8 | 17.3 | 19.8 | 39.9 |
運営管理 | 20.5 | 11.8 | 3.1 | 25.9 | 22.8 | 9.4 | 18.5 | 16.1 | 8.7 | 26.8 |
経営法務 | 11.4 | 6.3 | 8.4 | 5.2 | 10.2 | 12.0 | 12.8 | 26.9 | 25.6 | 13.2 |
経営情報システム | 6.4 | 8.5 | 26.6 | 22.9 | 26.6 | 28.7 | 10.6 | 18.5 | 11.4 | 15.6 |
中小企業経営・政策 | 12.2 | 12.5 | 10.9 | 23.0 | 5.6 | 16.4 | 7.1 | 10.9 | 20.6 | 5.6 |
過去10年間の科目合格率の推移を見ると、2つの特徴があることがわかります。
- 毎年1科目は合格率10%を切る科目がある
- 科目ごとの難易度のバラツキが小さくなってきている
科目合格率10%は、60点以上(100点満点中)だった人が10%しかいないことを意味します。
これだけ聞くと難しい試験のように思われますが、中小企業診断士協会が発表する1次試験に関する統計資料では「科目合格者数」に「試験合格者数」を含んでいません。
つまり、科目合格率は「1次試験に合格していない人の中で60点以上取れた人の割合」を表します。
そのため、実際の科目合格率はもっと高いです。
次に、科目合格率の推移を折れ線グラフで表してみました。
グラフから、令和6年度において「経済学・経済政策」「財務・会計」「経営法務」「経営情報システム」の4科目は、科目合格率15%前後で難易度は同じくらいでした。
しかし、「企業経営理論」「運営管理」の易化、「中小企業経営・政策」の難化で科目ごとの難易度のバラツキは大きくなっています。
令和6年度の難易度のバラツキは大きくなりましたが、ここ数年はバラツキが小さくなってきています。
実際に科目合格率のバラツキ具合を分散で確認してみると…
分散は値が小さくなるほどバラツキが小さいことを表す数値です。
そのため、令和3年度と令和6年度を除いて少しずつバラツキが小さくなっていることがわかります。
さらに、難易度のバラツキが大きくなった翌年は極端に小さくなる傾向にあります。
つまり、令和7年度はほとんどの科目が合格率10~20%の範囲に収束し、難易度のバラツキが小さくなることが予想されます。
この傾向を踏まえて令和7年度の傾向を分析すると以下のようになります。
令和5年 | 令和6年 | 令和6年 科目の難易度傾向 | 令和7年度 科目の難易度予想 | |
---|---|---|---|---|
経済学・経済政策 | 13.1 | 14.3 | 変化なし | 変化なし |
財務・会計 | 14.3 | 15.1 | 変化なし | 変化なし |
企業経営理論 | 19.8 | 39.9 | 易化 | 難化 |
運営管理 | 8.7 | 26.8 | 易化 | 難化 |
経営法務 | 25.6 | 13.2 | 難化 | 変化なし |
経営情報システム | 11.4 | 15.6 | 少し易化 | 変化なし |
中小企業経営・政策 | 20.6 | 5.6 | 難化 | 易化 |
ぞれぞれの科目について詳しく見ていきましょう!
経済学・経済政策
令和7年度「経済学・経済政策」の難易度予想は変化なしです。
近年は科目合格率が10~15%で安定しているため、令和7年度も同じくらいの難易度でしょう。
過去問で60点取れるようになれば安心です!
財務・会計
「経済学・経済政策」と同様に、「財務・会計」も難易度は例年通りと予想されます。
以前は変動が大きい科目でしたがここ3年間は科目合格率10~15%で安定しているため、令和7年度も同じくらいの難易度でしょう。
企業経営理論
「企業経営理論」は難化すると予想される科目の1つです。
ここ数年、知識がなくてもなんとなく正解を選べる問題が多く出題される傾向にありましたが、令和7年度は難易度が上がって解きやすい問題が減ることが予想されます。
ただし、近年の傾向からそこまで難易度が高くなることはないでしょう。
科目合格率の予想は20%前後です。
運営管理
令和7年度の「運営管理」は難化すると予想されています。
グラフからわかるように、近年の「運営管理」は難化→易化→難化→易化を繰り返す傾向にあります。
令和7年度は難しくなることが予想されるため、得点源にできるようしっかり勉強をしましょう。
科目合格率10%前後まで下がるかもしれません。
経営法務
令和7年度の「経営法務」の難易度は、令和6年度と同じくらいと予想されます。
令和4年度、5年度の2年間は科目合格率25%以上で、簡単な年が続いたことがグラフからわかります。
でも令和6年度で難易度が一気に上がったよ!
科目合格率10%を切ることは考えにくいため、令和7年度も13%前後に落ち着くでしょう。
経営情報システム
グラフからわかるように、「経営情報システム」は難易度の変動が大きい科目です。
近年は科目合格率10~20%の範囲を行ったり来たりしているため、令和7年度は科目合格率10~15%あたりになるでしょう。
難しい科目だからしっかり勉強しよう!
中小企業経営・政策
令和6年度は「中小企業経営・政策」が7科目の中で最も難しく、多くの受験生が苦い思いをしました。
そのため、令和7年度1次試験では難易度が下がると予想されています。
下グラフのように、近年の「中小企業経営・政策」は難化→易化→難化→易化を繰り返しています。
そのため、令和7年度は科目合格率15%前後まで上昇するでしょう。
難易度予想を踏まえて、60点を取るためにどのくらい勉強時間が必要なのか調べてみましょう!
【まとめ】科目ごとの難易度を把握して勉強にメリハリをつけよう!
今回は、中小企業診断士1次試験の科目ごとの難易度について解説しました。
この記事でわかること
\ 見たい内容をClick! /
1次試験の科目ごとの難易度はバラバラで、人によって感じ方も様々です。
大切なのは、自分がどの科目に苦手意識を持っていて、どの科目を得点源にしてカバーできそうか把握することです。
その上で、科目ごとに勉強のメリハリをつけて効率的に合格を目指しましょう!
まずは独学か通信講座か選ぶところからです。